プロのロードレースの世界では、ほとんどのチームが電動コンポ(シマノのDi2とかカンパのEPS等)を採用している。



ワイヤー式より確実に変速するし、指も疲れないし、良いことしかない……というのが理屈だろう。



自分もいつかは電動コンポを使ってみたい。スラムの出した無線電動コンポ「RED eTap」なんて、ニュースを見てワクワクした。



Global Cycling Network「電動コンポが本当にいいの? (メカニックさんには)仕事量が増えたりしていない?」とメカニックと選手に取材する動画があったので、翻訳しつつ紹介しますね。


Electronic Vs. Mechanical Groupsets | Dubai Tour 2015






「電動コンポが普及して、仕事はしやすくなりましたか?」

しやすくなったね。いったんバイクを組み立ててしまえば、あとはものすごく正確に作動してくれるよ。バッテリーを充電するだけで済んでしまうくらいさ。



電動化の最大のメリットは、雨に降られてもケーブル類の交換をしなくてもよいことだ。ワイヤー式のころはメンテナンスが大変だったけど、それから開放されたのは大きいよ。

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(BMCレーシングのチーフメカニック、ジーン・マーク・ヴァンデンバーグさん)


「ワイヤーと電動、どっちのコンポーネントが好き?」

(即答で)電動だね。ものすごく快適だよ。とくにフロントギアをインナーからアウターに切り替えるときが素晴らしいね。ジッって音がするだけで変速するんだ、クールじゃないか?


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(ティンコフサクソのミカエル・バルグレン選手)


慣れるまでにちょっと時間がかかったけど、今は電動を取るね。メンテナンスがも、一度やり方さえ覚えてしまえば問題ないさ。


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(チームスカイのベン・スイフト選手)


「エティックス・クイックステップはスラムからシマノDi2に変更したけど、ワイヤーと電動はどう違いますか?」

いったん組んでしまえば、後々のメンテはラクだね。電動化にして2ヶ月になるけど、誰一人としてワイヤーに戻したいって選手はいないよ。



清浄するときもとくに心配することってなくて、ステムの下のコネクションがちゃんと接続されているかどうかをチェックするくらいかな? 特別な配慮はいらないね。

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(エティックス・クイックステップのケニー・ラトメさん)


「ワイヤーと電動、どっちのコンポーネントが好き?」

まちがいなく電動だね。スプリントのときもシフトレバーを押し込む必要がなくって、下ハンを握った状態からシフトアップできるのさ。


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(エティックス・クイックステップのマーク・カベンディッシュ選手)


「電動コンポの感想を聞かせて」

もう2年使っているよ。TTバイクは電動コンポのままなんだけど、ロードレースのほうのバイクはワイヤーに戻したんだ。



僕は電動の正確で緻密な動作が好きなんだけど、どっちを選ぶかと言われたらワイヤーだね。なぜなら、ワイヤーはトラブルのときも修理しやすいし、チェーンがへんなとこに絡まっても自力でなんとか治すことができる。



バイクにトラブルはつきものだし、いつでも手動で対処できるよう、機械式のコンポが好きなのさ。

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(ユナイテッドヘルスケアのキエル・レイネン選手)


お金の心配をしなくてよいのなら、自分はいつでも「シマノの電動Di2」もしくは、先日リリースされたばかりのスラムの無線電動コンポ、「RED eTap」行ったるで!という気分なのだが、さすがにそうは我が家の問屋が卸さない(笑)。



RED eTapが登場したことで、シマノ。カンパニョーロも無線化対応するのは時間の問題だろう。新技術の価格がこなれてくれることを望みます…。



最新版 ロードバイクの修理と整備


電動よりはワイヤーのほうが「手動でなんとか出来る」のは確かだが、それにしたって知識と技術が身についていなければ意味が無い。

ということで、スキルに不安のある方(&まだ電動には手の出ない私のような方々)はコレを機会に学んでみてはいかがでしょうか。