ロードバイクは初めて乗ると、たいてい違和感があるものだ。



ママチャリに比べてとんでもなく前傾姿勢になるし、羊の角のような不思議なハンドル形状をしているし、サドルは薄くて硬い。

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ロードバイク初心者のころは、お尻(股間)、肩、腕、手首、首のどこかが痛くなるはず。そこでいろいろ試行錯誤するのも楽しさの一つだが、解決できなままでいると、「ロードバイク=不快な乗り物」という残念な結論を下してしまうかも。



なので、快適に走るためのコツとか知恵は知っておいて損はない。自分が愛してやまないGlobal Cycling Network(CGN)で、「ロードバイクで快適に走るためのコツ」という動画を発見したので、翻訳しつつ紹介しますね。




How To Be More Comfortable On Your Road Bike







自分にフィットしたサドルを 選ぶ

ロードバイクにおいて、身体とバイクが接触するコンタクトポイントは3箇所。足の裏、手のひら(と指先)、お尻だ。



サドルはロードバイク乗りには悩ましい問題で、ほぼすべての人が通る道。おしりの形状は千差万別なので、「これを買えばカンペキ!」とは断言できないのが心苦しいところ。

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いろいろ試してみるしかないというのがホンネだが、いくつも買って試すのも非現実的。動画内では、「フィジークは購入前にトライアルをさせてくれるし、他メーカーも同様のサービスを実施しているよ」とは書いてあったが、海外情報なので日本でどうかは不明。



メーカーに問い合わせるのもいいけど、それは面倒だろうから、一番のオススメはショップで試乗させてもらい、おおよその傾向(「少なくとも、この形状はNGだな」くらいの感触)はつかんでおくのがいいかも。



あとは知人・友人のバイクにまたがらせてもらうこと…くらいかな。



1点注意事項として、「大きくてクッションがある厚手のサドルは快適とは限らない」こと。もっとも重要視すべきは「サドルの形状」だ。見た目がイマイチでも、乗ってみたらあらステキ!となることもあるし、その逆もある。見た目だけで選ばないようにしよう。

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サイクルショーツ

高いショーツはそれだけ快適性が高い。良いものはどうしてもお高くなる傾向にあるが、快適に走るならば「お金をかけるべきは、高品質のサイクルショーツ」とのことだ。



自分も近いうちにビブショーツをトライしようと思うので、このことは覚えておく。素材の質もさることながら、フィット感も同様に大事とのこと。



バイクポジション

バイクのポジションもサドル同様、深い悩みである。自分は何度もポジションで迷い、知識も乏しいくせに勝手にサドルを上げたり、ブラケットをしゃくった結果、すごくアンバランスにさせてしまった経験がある。



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ラバネロの監督の高村さんにポジションを診ていただいたときは、バイクと自分を見比べて、ひと目で修正箇所を見抜いてしまった。

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【ロードバイク初心者に読んでほしい】プロショップ・タカムラ製作所でポジションを徹底的に改善してもらった話



バイクのフィットは我流は禁物。ショップのプロにチェックしてもらうことを激しくオススメする。



フィットしたポジションのバイクは、むちゃくちゃ快適。100キロ走ってもへっちゃらだが、ほんの数ミリズレているだけで、5キロ走るのもしんどく感じるほどなので。




ハンドルバーの形状

多くのメーカーが多種多様なサイズ、形状、深さ、長さ、幅のハンドルを提供しているので、ロードバイク初心者の方は、「どれを選べばいいの?」と途方に暮れるかもしれない。



動画では、「いくつか試して、どれが自分にマッチするか確認しようね」としか語っていなかった。

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個人的にショップで聞いた話で補足すると、幅については「自分の肩幅と同じか、ちょっと短いほうがコントロールしやすい」とのこと。ちなみに自分は幅40センチのドロップハンドルとブルホーンバーを使っている。



大きめのタイヤ&低めの空気圧

路面から伝わってくる振動がハンドルを通じて腕に響くと不快に感じる。そこで、タイヤサイズを大きめ(23cに対して25cとかそれ以上)にすれば、空気圧を下げることができる。よって、振動を低く抑えることが可能になる。



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バーテープを二重に巻く

バーテープの厚さに比例して振動は吸収される。アルミフレームのダホン(Dahon)のMu P8はカーボンのロードバイクに比べて明らかに硬く、振動がハッキリ感じられる。そこで、ブルホーンバーのバーテープは2重にしているよ。



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バーテープの上から、もう1回バーテープを巻いて太くした



ブラケットの位置を上げる

プロライダーは総じて低めのポジションをとっているが、そのまま初心者がマネてしまうとキツく感じるかもしれない。ドロップハンドルに慣れるまでは、スペーサーを入れてやや高めにして、アップライトなポジションを試してみてはどうだろうか?



ちなみにダホン(Dahon)のMu P8はややアップライトなポジションにしてあり、BOMAのRefale(リファール)はスペーサーをすべて取り除き、低いポジションにしてある。2台を乗り比べると、Mu P8はラクな姿勢で流せるので、街乗りには向いているなって思う。

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※写真は、まだスペーサーを抜いていなかった頃のモノ(ハンドル位置がマックスで高い)




ドラフティングで走る

人の後ろについて走ると、空気抵抗を低減でき、より少ない出力で高い巡航速度を維持できる。疲れているときなど、体力がある人に牽いてもらうことで、体力の消耗を抑えられる。ただ、個人的にはドラフティングで走ることはほぼしない。



というのも、ドラフティング効果を得るにはかなーり、前のバイクに接近する必要がある。公道でこれをすると、急ブレーキや路面の障害物(もしくは穴など)を避けることができず、接触&落車を起こしかねないから。



サーキットのような路面がキレイで邪魔者が入らない環境であれば、短時間だけドラフティングを試すこともある。でも、そうは言ってもいつなんどき前走者がスピードを落とすかわからない。ドラフティング走行する際は十分にお気をつけください。



バイクをいじることを恐れない

ポジションの項目でも触れたが、自分にマッチしたポジションを探し当てられれば、じつに快適なロードバイクライフを送ることができる。よって、サドル、ステム、クリート、ハンドル、ブラケット等、高さを替えたり、長さを調節することを恐れないでほしい。



でも迷ったら、初心者向けのロードバイクの書籍を読んで基本情報を仕入れて、ショップに相談しようね。(ある程度の知識がある方が、自分の意図を伝えやすく、話が早く進む)



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以上、GCN動画の解説でした。



GCNの「ハウツー動画コーナー」は本当に充実しているので、ぜひご覧あれ。
(英語だけど、字幕表示もできるし、見ているだけで面白いよ)




あと、土井選手が最近出した書籍もちょうど読み終わったところ。タイトルが仰々しいので、「ホビーレーサーの自分にはハイレベル過ぎる内容かも…」と恐る恐る購入したのだが、素晴らしく勉強になった。


土井雪広の世界で戦うためのロードバイク・トレーニング




本格的にレースに取り組んでいる人はもちろん、自分のようなツーリングメインのローディも真似できるアイデア、ポジション、運転のコツがたくさん書かれていたよ。

※1,836円(税込)とややお高めだが、それだけの内容があったね。



あと、プロレースの裏話も後半に書かれていて、これはこれで検索しても出てこない話として、興味深かった。この書籍のインプレはまた別の機会に。