フィアットのパンダを購入して1年経ったので、1年点検してもらったついでにチンクエチェントに試乗させてもらいつつ、オクサマのボードウォークがトランクに乗るのかを検証させてもらった。


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結論から言うと、ボードウォークは載せることができなかった。


パンダと比較して、チンクエチェントの全長は110ミリ短い。加えて、屋根から丸く下がってくるルーフが干渉してしまい、バイクそのものはトランクになんとか押し込めても、肝心のリアハッチが閉められないのだ。


トランクを倒せばもちろんいけるが、シートをそのままで搭載するのは不可であった。

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※ぱっと見はパンダと大差ないのだが……



ミニベロは、たたんだところでそれなりの高さがある。よって、リアゲートが閉められるかどうかが大きな問題になることが今回わかった。


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※トランクを倒さずに載せることはできる。


ダホンの場合、ハンドルポストを根本から折って畳むのだが、折った箇所がむき出しになり、ここがリアガラスに当たるわけ。さらに、この場所にはリアのワイパーの稼働箇所がちょうどくる部分でもあって、やはりリアハッチの角度が寝ているとぶつかってしまうのだ。


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※ご覧のとおり、トランクゲートが閉まらない


パンダはごらんのとおりリアゲートがほぼ直角に立ち上がっているので、ミニベロもすんなり収納できる。トランクスペースのリットル容量も大事だが、ミニベロを運ぶには形状も抜きにはできないことを今回学んだね。


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※リアゲートがほぼ垂直のパンダは問題なく閉まるのだ



試しに、リアシートを倒し、どれくらいのスペースがあるかも確認させてもらった。


リアシートをすべて倒せば、相当に広いスペースが生まれる。二人乗りと割りきってしまえば、ミニベロを2台積むこともできるね。ただ、寝かせて置くことになるので、毛布は敷いたほうがいい。でないと、リアシート背面に傷がつく。

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※2ドアクーペと割り切ればいいのだ


助手席を一番前まで押し出し、シートバックを前方に倒せばロードバイクが載せられるかも?と思ったのだが、さすがにそこまでは試せなかった。目視だけの印象だが、ギリギリ載せられるか……イヤ、かなりキツイな……といったレベル。


仮に詰め込めたとしても、ロードバイクに窮屈な思いをさせることになりそう。ディレーラーやワイヤー類にへんなテンションがかからないか不安。


ロードバイクはムリをすればなんとか押し込めるかもしれないが、相当に工夫しないと乗せられなさそう。載せるなら、2台のミニベロまで、かな。

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さて、試乗もさせてもらったので、そのインプレッションをば。※パンダと比較しつつ。


明るさ、POPさ、開放感がすごい

樹脂製ではあるが、ボディ同色の明るいインパネのパネルが目を惹く。サンルーフも影響しているはずだが、とにかく明るくてPOPできもちいい。


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※とっても カワ(・∀・)イイ!!



営業さんによると、「室内空間はパンダより狭いので、意図的に明るい内装にして、心理的な閉塞感を緩和しています」とのこと。うむ、たしかにチンクエチェントはお世辞にも広いとはいえない。しかし、気持ちのよい空間であるのは間違いない。


外は雨がぱらついていたが、晴れ晴れした気分になれた。なるほど、こりゃあ人気者なわけだ。ちなみにサンルーフははめ殺しのタイプのみで開かない。(日除け用の収納式のシェードはあるよ)

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※残念ながら、パンダには設定されていなかった。やっぱりサンルーフはいいですな。


パンダよりも走りが軽い

車重がパンダよりやや軽いせいでもあるだろう。走りがとにかく軽快なのだ。ハンドルが軽く、アクセルを踏み込むとスッと前進する。同じツインエアエンジンなのだが、エンジン音も心なしか軽い。


走りは軽快だが、ダンパーはやや固めで、地面に張り付くような接地感はある。このへんはドイツ車にも通じる、欧州車を感じさせる部分。フニャフニャな脚の車より、個人的にはこっちのほうが好み。


うっ……認めたくないが、パンダより運転が楽しい……」と感じたことを正直に告白しておく。ただ、大人が快適に過ごせるのはフロントシートのみ。リアシートはエマージェンシー用か子供専用と考えたほうが良い。

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※どの角度から見てもレトロな雰囲気が伝わってくる


フィアット500生活





営業さんに、チンクエチェントの購入層も訊いてみた。


老若男女、男女は半々、女性は指名買い多し

購入層はこうって決まっておらず、文字通り老若男女がお客のさんだそう。男性はBMWのMINIと比較することがこれまでは多かったが、現行のMINIは大きくなりすぎて、もはや競合しなくなったそうな。


今現在は、これといった明確な競合がいないのがチンクエチェントである。女性はデザインから入る人が多いそうで、指名買いするパターンの人が多い。




以下、おまけ: 500Xの情報も教えてもらったよ。※公になっている情報です。



FIAT 500Xはでヨーロッパ市場と北米市場向けに投入されたコンパクトクロスオーバーSUVで、日本上陸は2015年後半(予定)とのこと。上位車種はなんと9速AT搭載(上位モデルのみ)なのだ。


ジオメトリーは「4250mm(全長) 1800mm(全幅) 1600-1620mm(全高)」だ。イメージとしては、アルファロメオのジュリエッタの全幅と同じで、全長は100mm短く、背が高くなったかんじ。


エンジンは直列4気筒で、 1.4Lガソリンターボ、直列4気筒 1.6/2.0Lディーゼル、直列4気筒 2.4Lガソリンの3種類があるが、どれが日本に来るかまではわからない。
※ ウィキペディアのリンクも参考までにどうぞ。



500Xの動画はすでに海外で多数アップされているので、視聴して面白かったものを見繕っておいたよ。




いかにも明るいカリフォルニアって雰囲気で、中年のおっさん二人が好き放題に批評する姿が好ましい。日本のお行儀のいいインプレッション動画にはないフランクさがある。


「シートが快適だな」、「アメリカ人にはちょっと小さいぜ」、「エアコンはよく効くな。カリフォルニアの猛暑でもイケるぞ」、「走りはスポーティでいい」、「フロントシートは快適だが、リアシートはちと狭い」、「(兄弟車である)JEEPのレネゲードとは似ても似つかない仕上がりだ」等とコメントしている。







上の動画の続き。「Fiat 500X vs Nissan Juke vs Chevy Trax vs MINI Countryman 4台」のマッシュアップインプレッション。車好きの兄ちゃんがそのままオッサンになってしまった感じの2人が、好き勝手にぶった切ってて、掛け合いがリズミカルで面白い。



こーゆーあけすけな批評、日本の自動車評論家はぜったいやらないよなー。日本人のインプレッションが面白くないのは、彼らのように振りきっていないからだと思う。




最後の動画は、ロゴマークをガムテープで覆って隠して、通りすがりの人に「この車、どこのなんだと思います?」って尋ねる実験。





大半の人が「フィアットぽいね」と答えている。初見にもかかわらずほぼフィアットだと感じさせたということは、500のデザインをしっかり受け継いでいるってことだね。中には、フォルクスワーゲンかアルファ・ロメオと間違える人もいたけれど。



おばあさんの一人が、「えぇっ!?これが500ですって?私が知っている500と違うわー」って目を丸めて驚く姿がかわいい(笑)。

500magazine(チンクエチェント・マガジン)



※日本導入されたら、間違いなく試乗したい1台だ



以上、話が脱線しましたが、チンクエチェントでもシートを倒せばミニベロは積めるということと、500X上陸が楽しみですねって話でした。


合わせてお読みいただきたい!

【取材記事まとめ】 ロードバイク&ミニベロが自動車に積めるかどうか

フィアットの新型クロスオーバー車、「500X」の打ち出し方が日本と海外でまるで違う