フィアット社のパンダを2014年5月に購入し、ざっと半年になる。

パンダは実に愛すべき車で、「こんなに可愛くて、こんなに運転するのが楽しい車がかつてあっただろうか」と感心しまくり。心底惚れているのであるが、ついに恐れていたことが起きてしまった。

故障トラブルである。 /(^o^)\


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※ついに恐れていたことが…これがイタリアン・クオリティなのか…


電気系統トラブルで入院になってしまう

イタリア車なので、いつか何か起きるだろうくらいには予想していた。なので、「そっかー、故障しちゃったか、まあそういうこともあるよね」くらいの気分である。

ちなみに、起きたのは電気系統のトラブル。

エアバッグのサインがインパネに表示され、ずっと消えない。走行に支障はないのだが、「万が一、事故ったときに動作しなかったらやだなあ」と思い、ディーラーさんに持って行った。


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※故障前に撮った画像なので、インジケータは点灯していない

「どうせ、センサーリセットするだけだろうから、ものの30分で終わるだろう」というお気楽な読みは外れた。「故障原因の特定に手間取っているので、しばらく預からせてほしい」と説明を受け、代車をお借りした。

早ければ1週間、長引くと2週間かかるとのこと。マジか、特定するためだけにそんなに時間がかかってしまうのか…。


イタ車オーナーが板についてきた(笑)

ふつーなら、「たかがセンサー不良で2週間もかかるってなんで?」ってイライラするかもしれないところだ。でも、あんまり不快な気分ではない。なぜだろう?

思うに、自転車がしょっちゅうメンテナンスする乗り物で、日常的にメンテを自分でしていることが関係しているような気がする。

自転車って、車と違って手をかけてあげなくてはいけないマシンなの。タイヤの空気圧をこまめに入れる、リムの汚れを拭く、ブレーキレバーの調整をする、ブレーキシューの減り具合を確かめる・・・なーんてことが日常になると、「機械ってゆーのは、オーナーがちゃんと維持管理をしなくちゃいけないんだ」って思い始める。

車は自転車よりも過酷な環境で使うじゃないですか。雨の日も乗るし、屋外に雨ざらしだし、出すスピードや路面から受ける衝撃だって自転車の比ではない。であれば、半年もガシガシ走ればどこかがおかしくなるのも当たり前…ってかんじで寛容な気持ちになれるのだ。うむ、イタリア車オーナーとはこういう人のことをいうのであろう(笑)。


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※というわけで、入院しました

日産プリメーラ、想像以上にひどい

で、代車でお借りしたのが日産プリメーラ(2代目)。

手配くださったフィアットのディーラーさんにこんなことを言うのは心苦しいのであるが、はっきり言うね。プリメーラひどい。死ぬほど乗りにくい。運転の喜び皆無、というかむしろ苦痛。(オーナーの方、ごめん)


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アクセルを踏んだ瞬間だけグワっと過剰なトルクで引っ張られて、「うわ、過敏だなあ」と思うもつかの間、いったん走り出すとぬるぬる、とろとろとしか走らない。さっきのトルクはどこに行ってしまったの…。威勢の良さは出だしの一瞬だけなの…?

アクセルを踏んでも、ブレーキを踏んでもぬるぬるとしか動作せず、じつに不快。なんともつかみづらいCVTの特徴のせいか、意図したとおりに走ってくれない。ディーラーから走り出して10秒で、

このプリメーラと、2週間も過ごさねばならないのか・・・

と、暗澹たる気持ちになってしまった。


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※初代プリメーラは良かったと思うのだが…
 

車も自転車も、乗って気持ちがいいかどうか

改めて、パンダの偉大さを知った。自転車も車も、意のままに操れることが大事。パワーやトルクも不可欠だけど、いくらパワーがあっても、それを自由に扱えなければ宝の持ち腐れだ。あと、「軽さは正義」って理屈は車にも当てはまる。

変な例えだけど、筋力はあるけど、デブで運動神経が悪い人間と、筋力は人並みだけど、無駄な贅肉がなくて運動神経が良い人間と、自分が(寄生獣の)ミギーだったらどっちを乗っ取りたいかって想像してみて。きっと後者だと思うの。

パンダは後者に相当する車。85馬力(2気筒&895cc)って数字だけ見ると、あまりに非力で「軽自動車かよっ」って思ってしまう。でもね、それって違うの。数字じゃないの、車も自転車も、乗って気持ちがいいかどうか、自分の意図したとおりに操れるかどうか、それがすべてなの。


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スパパパパパパパッってエンジン音をさせ、思ったように加速し、狙ったラインでカーブを曲がり、考えた通りに減速&加速してくれる。ボディは軽いのに、剛性感は高いし、ダンパーもよく効くのでショックを程よく受け流す。

どんなに長距離を移動しても疲れない。八ヶ岳~さいたま間とか、東京~那須間とか、百キロ以上ノンストップで走っても、疲れないどころか、「もうちょい運転したいな」って思うくらいなの。


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あらゆる動作が「意のまま」であることが、こんなにも気持ちいいとは。乗り物で大切なのは、機械と人が一体化できるかどうかだと強く主張したい。

あーーー、パンダと一体化してるわ、オレ(ウットリ)」って思うのよね。

ということで、早くパンダさん帰ってきてほすぃ・・・。



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