同じ会社(※)に勤めるヒルクライマー、自分は坂バカ氏と読んでいるが、彼から「ヒルクライム(の登り方)」のタイプについて教えてもらった。

冬真っ盛りなのに、なぜあえてヒルクライムネタなの?と思うかもしれないが、真のヒルクライマーにとって、シーズンなど関係ないのである。坂があれば、登るのみ。


というわけで、やや強引にヒルクライムの話を書きます。


※2016年4月にfreee に転職しました
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※2014年夏のつがいけヒルクライムにて(右がその坂バカ氏)



そもそも、ヒルクライムには、大きく二つのスタイル(ポジション)があるらしい。

1.上体を起こし、サドルのやや後ろ目、足を前に出すようにこぐタイプ

いわゆる痩せ型で体重の軽い、典型的なヒルクライマーにこの乗り方が多い。ふとももの筋肉よりは、おしりの筋肉(大殿筋)&ハムストリング(大腿二頭筋)を意識して使う。サドルの後ろ側に座ることで、極端に言うと「脚を前に押し出すように」ペダリングする。


メリットとして、背筋がスッと伸びるので「横隔膜が開いて、呼吸しやすい」が挙げられる。ブリッツェンの増田成幸選手がこれに当てはまる。
 

増田成幸(ますだなりゆき) (ウィキペディア)

増田選手の個人ブログ



2.前傾姿勢で、サドルのやや前目、足を踏みおろすようにこぐタイプ

筋肉質タイプに多いポジション。サドルの前側に座り、ペダリングは「下に踏み下ろす」かんじ。太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を使う乗り方で、パワーはかけやすいが(張り切りすぎると)疲れやすくもある。スペシャライズドの竹谷賢二氏がこの乗り方とのこと。


竹谷賢二オフィシャルウェブサイト

竹谷賢二氏の個人ブログ



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上記の2つ以外に、「ダンシング多用タイプ」というヒルクライム法もある。

3.ダンシングを多用してこぐタイプ

ダンシングは、見た目よりも意外に難しく、スキルが身についていないと、腰を上げた瞬間に減速してしまう。「ママチャリでやったことあるし」は通用しない。あれはただ立って漕いでいるだけ。ロードバイクにおけるダンシングはまったく別物。また、ダンシングをすればスピードアップしそうなイメージがあるが、これまたそうでもないらしい。


実地でプロに宮ヶ瀬湖で指導してもらったときの気付きをまとめたので、参考にどうぞ

>> 実走セミナーでプロに指導を受けたら、ダンシングと体重移動が劇的に変化した


「休むダンシング」という方法もあるが、慣れていないと疲労が溜まるだけなので、注意が必要なのだ。ただ、ダンシングのメリットとして、「お尻周辺の血流を促す」がある。



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余談だが、ポジションとは関係ないおもしろい話も聞けた。


ヒルクライムレースで、力量が似たもの同士が拮抗して走っているとしよう。相手がアタックを仕掛けてきたとき、「3分間、後ろに食らいついていくことができれば、敵のアタックを失敗させることができる」らしい。
 

どういうことかというと、カテゴリーや力量とは関係なく、渾身のアタックというものはどんな人間でも3分以上は続けられないのだそうだ。無酸素運動をずっとできないようなものですね。


逆に言えば、「相手はオレに3分間ついて来れる体力がない」と見極められれば、アタックを成功させることができる・・・ということなんだって。へぇ~。


不思議なもので、ヒルクライムでは一度千切れてしまうと、ほぼ確実に追い付くことはできないし、離してしまえばその相手には勝ったも同然らしい。だからこそ、ヒルクライムでは絶対に千切れてはいけない。「千切れる=敗北」を意味するからだ。


うーむ、ヒルクライムレースは奥が深い。大きく二つの登り方があると教えてもらったわけだが、「じゃあ、自分はどっちなんだろう?」という質問には、「それはしこたま登って自分で見つけていくしか無い」と返された。まあ、そうだよね…(笑)。


ロードバイクライディング完全ガイド-はじめてでもわかるライディングの基本・ロングライド&ヒルクライムの楽しみ方




このへんの記事もどうぞ。

ヤビツをロードバイクで軽くねじ伏せてきたった\(^o^)/(前編)

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