自転車を趣味にする人にとって、『いかにオクサマから購入許可を得るか』は死活問題だ。もちろん、我が家も同じである。一般的な女性にとって、ロードバイクやそこそこよいミニベロは、それこそ目の玉の飛び出る価格である。

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そりゃ、ママチャリが1万円かそこらで売られていることから考えて、フレーム20万円とか、ホイール15万円とか、シートポスト2万円とか、ステム1万5千円とか、異常としか見えないだろう。


そんなオクサマたちから、理解と許可を得るのは至難の技だ。そこで、オレサマの実践したオクサマ説得の攻略法を紹介しよう。オクサマに家計を牛耳られている世の旦那さまの、お役に立てればうれしい。


オレサマも、ダホンを購入するにあたり、事前に戦略を練った。まあ、ダホンはロードバイクと違って比較的安かったが、それでも定価で8万円を越える。ざっと、ママチャリ5台分の値段だ。真正面から攻めたのでは、NOと言われるのは目に見えていた。



オレサマがとった戦略をまとめると、こうなる。




1 ハイエンドモデルに試乗させろ


まず、値段の話はするな。それをすると、一気に拒否反応を起こさせてしまう。カジュアルな感じで、見に行かない?とショップに連れて行こう。ショップに行ったら、試乗する。ポイントは、いきなりハイエンドモデルに乗る(乗せる)こと。ハイエンドモデルは、見てもよし、乗ってもよしだ。その良さは素人にもわかる。



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ただし、ハイエンドであるとは伝えないこと。値段も伏せたままにする。何も言わずに乗せて、ペダルを漕いで最初の5メートルで感激させるのだ。



オレサマの場合は、ダホンの最上級モデルに乗せた。フルカーボンで最高の乗り心地だ。オクサマも、乗った瞬間、『なんじゃこりゃあああ!?思ってたのとぜんぜんちゃうぅぅ!ミニベロすげえ、折りたたみ自転車サイコー!』と仰天しおった。



ククク・・・狙い通りである。



おわかりだろうか?不動産営業マンのやり方と同じで、最初に手の届かない高級な部屋を見せ、『ムリだ。。。』と残念な気持ちにさせておいて、次に本命を見せて、『これなら(買えそう)』と思わせるアレである。



ちなみに、ダホンのハイエンドモデルは35万円だった。ただ、オレサマが狙っているのはもちろんこれではなく、Mu P8(8万円)のほうだ。つまり、たったの四分の一の価格で買えると刷り込むわけである。





2 事前に店主と打ち合わせしとけ


この方法には、店主の協力が必要だ。事前に打ち合わせをしておこう。本命バイクと見せるだけ用のハイエンド決めておき、試乗の順番も決めておく。店主と旦那の連携プレーでオクサマをサンドイッチ攻撃する寸法だ。



かならず、高い方から試乗させること。最初に感激させてしまえば、その感激が余韻となり、その後に乗るバイクとがどれも『いいわぁー』ってなる。2台試乗し終わってから、価格を明かす。この時も、高い方から伝えよう。



『これは最上級モデルで、35万円だよ』


『えーーーーーーー、さ、さんじゅうごまん??』


『でも、よかったでしょ?』



『うん!すっごくよかったよ。こんな自転車、乗ったことない。自転車へのイメージが変わった!どれだけでも走り続けられそうなくらい、きもちいい』

※いっしょにいる店主の手前、ストレートに悪いことは言えないっていう心理もあるw


『でしょ?』



『こっち(安い方)はいくらなの?』



『これはMU P8っていってね、8万円だよ』



『8万円かあ。。。けっこうするんだね』(と言いつつ、じーっと見つめる)



『こっちは乗ってみて、どうだった?』



『これもぜんぜんよかったよ。高い方に比べても、そんなに差はなかったかな?そのわりに、値段は四分の一なんだね』



『ハイエンドのはカーボンだから高いのは当然。素材からして別物だからね。MU P8はアルミだから、ぐっと価格を抑えることができるんだ』



『なるほどね』



『あっちに置いてあるのもダホン?』



『あれはDAHON(ダホン) Boardwalk D7。クロモリだからさらに安くて、5万円ちょい』



『へぇ!安いじゃない。乗ってもよいかしら』



『もちろん、好きなだけ乗っておいで』




(試乗後)




DAHON(ダホン) Boardwalk D7は、どうだった?』


『・・・買おう!』



『え?』



『今日、ダホン買おう。2台まとめて。あなたはMu、あたしはボードウォーク。いいよこれ』




というわけで、彼女の口から買おうという言葉を発させた。まさに、計画通り、、、である。店主と(心の中で)ガッツポーズを交わしたのは、言うまでもない。




3行でまとめると、


・ハイエンドモデルに乗せ、感激させろ
・価格で腰を抜かせて、下のモデルを提案しろ
・価格感が麻痺している隙を逃さず、購入の段取りを進めろ


である。




要は、百聞は一見に如かずなのだ。フォアグラやキャビアの味を説明されても、食べたことがない人間には伝わってこないのと同じ。自転車の良さも、言葉や理屈では通じない。数値でも伝えにくい、感覚的なものなのだ。



よって、自転車の知識のない(あるいは乏しい)女性にいくら力説しても、糠に釘である。自転車の魅力を伝える確実にして最短の方法は、とっとと乗せてしまうこと、である。



一度でも、上質なものを味わってしまうと、その感激や感動は記憶として残る。このエネルギーを最大限活用するのだ。



オレサマはこのチャンスを逃さず、すぐに手付けを払った。この時点で勝負、オレの完全勝利である。ちなみに、オクサマは、ダホン購入後、しばらくしてから、『あのカーボンのダホン、超よかったなー。ボードウォークも悪くないんだけど、やっぱりなんか違うんだよなー』って首をひねってたw



ま、そりゃそーですわ。だって、あのダホン、30万円越えるもんね。



いったん買ってしまえば、いっしょにツーリングにでかけたり、通勤に使えたり、大活躍し始める。そうすれば、『買ってよかったね』ってなる。だからオレサマもオクサマも、後悔はない。そうやって徐々にオクサマを自転車好きに仕込んで行けばよい。



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※納車翌日の懐かしい写真




男性諸君の健闘を祈る。


折りたたみ自転車&スモールバイクカタログ2014

さり気なく、奥さんの視界に置いておけばいいよ!

くれぐれも、夫婦げんかしないでね(笑)。