もう1年以上、Dahon(ダホン) Mu P8を折りたたんだことがない。
折りたたみ自転車なのに、だ。
家で保管するときは、簡易スタンドを使っている。乗りたいときにパッと外に運べば、すぐ乗り出せるからだ。買った直後は、外出のたびに組み立てていて、それが楽しかったりもしたのだが、ポジションをいちいちあわせるのが面倒になってきた。



そもそも、折りたたみ自転車を選んだ理由は、「輪行してあちこちに持って行こう」と目論んでいたから。実際に、そういうこともやってみたが、都心&近郊の公共交通機関での輪行はぶっちゃけ辛い。
折りたたんで、カバーに包み、ヒイヒイ言いながらプラットフォームに運び、車内では邪魔にならないよう気をつかって乗らねばならない。愛車を人にぶつけてもまずいし、他人の荷物にぶつけられるのもゴメンだ。



雑誌では女の子が軽々とDahonやらブロンプトンを持ち上げている姿が映っているが、あれは撮影用のワンシーンにすぎない。輪行は、女の子が気軽にできるようなスマートなもんじゃない。
10kgの米袋を片手で持って、数百メートル歩くのを想像してみよう。腕と肩があっという間にパンパンになる。折りたたみ自転車の輪行は、まさにそれだ。



Mu SLに匹敵する軽量化をしてなお、「輪行はしたくない」のが個人的な結論。
そんなことしてる時間とエネルギーがあったら、走りゃあいいって思う。
おおよそ、1キロ3分がふつうに自転車に乗って移動できる距離と時間の関係だ。折りたたんだり、階段を登り降りしたり、電車を待ったりするうち、あっという間に15分は経ってしまう。



15分あれば、5キロ走れる計算だ。都内の5キロってけっこうな距離で、例えば勤務先の赤坂から渋谷までが4キロ。駅にすると「青山一丁目>外苑前>表参道>渋谷」と3駅にもなる。自転車で15分かからない距離なのだ。

と考えると、輪行がいかにエネルギーのムダかが分かってもらえるだろう。



折りたたむことをしなくなると、”折りたたみ専用のパーツ”が邪魔になる。それは「磁石」。

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前輪と後輪に付いている磁石で、折りたたんだ時に軽く固定してくれるありがたい部品なのだが、折りたたまない派のオレには無用の長物。そして、軽量化という名の悪魔が、オレにささやくのだ。
「もう折りたたむこともしねえんだろう?磁石なんてさっさと取っ払っちまえよ、軽量化できるぞ」


と。



で、外した(^^) 磁石なんで、わりと重かった。まあ、30gは軽量化できたかな?
ルックス的にも、ないほうがすっきりするし、個人的には満足。


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輪行に否定的なことを書いたけど、田舎とか長距離の旅行なら話は別。


たとえば、家から100キロ離れた場所に輪行で行き、そこからツーリングしながら帰ってくるという楽しみ方は、折りたたみ自転車の得意とするところだし、暖かい季節になったらやってみようと思う。