フラペ(フラットペダルの略)からビンディングシューズに替えたほぼ全員が経験するであろう、「立ちゴケ」について書く。

どんなに注意していても、ふとした気の緩みや、予想外のハプニングによって、立ちゴケは起きる。必ず。

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※シマノのアルテグラグレードである、「PD-A600」を愛用しています

自分もビンディングに替えて最初の1週間は、むちゃくちゃ慎重に乗っていたおかげで、立ちゴケはしなかった。信号が見えるやいなや、かなり離れた場所であらかじめクリートをガチャりと外し、いつでも足をつけられる準備を整えてスローダウンする。

だが、事故というのは慣れてきた頃に起きるものだ。

その日は勤務先(赤坂)まで初めてビンディングシューズで行った日だった。交通量の多い都内の道路では、いつにも増してむちゃくちゃ慎重に走った。そのおかげか、無事に会社に到着。「やった!24キロコケずに走れた」と、けっこう自信がついた。

その日の帰り、会社を出て最初の信号(@赤坂見附)に差し掛かったとき、悲劇は起きた。

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※初めての落車の現場は、今もハッキリ覚えている…

そのときは車道を徐行しており、歩道から車道に出る場面だったのだが、ちょうど信号が赤から青に変わる間際だったので、「スタンディングで数秒待てばいいか」と横着した。ところが、なかなか信号が青にならないので、「しゃーないな、じゃあ左足をついて待つか」と足を地面に置こうとした。

だが、ビンディングのことをすっかり失念していたため、足が動かない。「あれ?足がいうこときかないぞ」と思った瞬間、「そういえば、ビンディングシューズだった・・!」ことを思い出した。だが、時既に遅しで、重心はすでに傾きかけている。

もうだめだと観念し、「立ちゴケってどれくらい痛いのかなあ」と心配しながら肩から地面に叩きつけられた。思ったほど、痛くなかった。夏場でTシャツ1枚だったけど、肘をちょっと擦りむいただけで済んだ。

ただ、落車の衝撃でフロントのチェーンが外れた。でも、左にこけたせいで、ディレイラーは傷つかなかった。信号の反対側にいた女性におもいっきり目撃され、死ぬほど恥ずかしかった。。。

ビンディングシューズを知らない人にしたら、「なにこの人、大人のくせに自転車でコケてんの?バカなの?」ってくらい間抜けなシーンにちがいない。

違うんです!ビンディングシューズというシューズとペダルを固定する特別なパーツを使っていたからなんです。誰しも一度はコケるものなんです!」と釈明したい気持ちになったが、それをしたら完全な変質サイクリストになってしまう。

マッハのスピードでチェーンを戻し、痛みも忘れて一目散にその場を立ち去ったよ。

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初めて立ちゴケしてわかったことを以下にまとめますね。

■ 立ちゴケした理由その1. 油断していた
車道にいた間はずっと緊張感を保っていたが、歩道にいたせいで一瞬の気の緩みが生じた。しかもスピードがぜんぜん出ていない状態で、帰宅ということもあって緊張感が薄れていた。不覚であった…。

緊張感のなくなる歩道とか、車が来ない駐車場みたいな場では、意外に立ちゴケが起きやすいかもしれない。よく、事故は帰宅間際の安心してしまった瞬間に起きやすいと言うじゃないですか。まさにそれですね。

周囲に人がいなくて、ほんとよかった。

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■ 立ちゴケした理由2. 横着していた
信号の変わり際で、足を地面につくのが面倒になり、ギリギリまでビンディングを外さなかった。つまり、横着をしてしまったせいで、コケたのだ。ビンディングをはめる手間なんで大したことないんだから、余裕をもって早めに外すことをおすすめする。

「めんどうくさい」というキモチは色んな瞬間に訪れる。左右を確認するのがめんどくさい、後方確認するのがめんどくさい。ハンドサインを出すのがめんどくさい・・・。それって、まさにフラグである。めんどうくさいという気持ちと戦いましょう。

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■ 立ちゴケした理由3. 過信していた
行きが無事だったので、「オレって、飲み込み早い!」と過信してしまった。じつに甘い考えであると言わざるをえない。たしかにビンディングの付け外しは難しくはなく、すぐできるようになる。

しかし、付け外しができることと、あらゆる状況下で最適なタイミングで付け外しができることの間には大きな差がある。過信は禁物だよ。

ほぼ無傷(自分も自転車も)だったし、誰にも被害をかけなかったのは不幸中の幸いだった。ビンディングシューズで走る時は、ぜひとも「油断、横着、過信」に気をつけて走ってほしい。


立ちごけとは違いますが、この辺の動画記事も事故予防の参考になると思います。
(*^^*)