自転車に乗り始めて丸7年ほどになるが、恥ずかしさゆえ、ずっとビブショーツを履くことができなかった。

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上下ぴっちりのジャージで外に出るなんて、崩れた体形をした40歳オーバーのオッサンにはハードルが高い。

「誰も見てはいないよ」
「すぐに慣れるよ」

とは2万回くらい聞かされたがダメだった。人がどう感じるかではなく、純粋に自分が恥ずかしいのだ。己の醜態をさらけ出すことに耐えられなかったのだ。

そのへんについては過去記事でも書いたので、今回は「人生で初めて上下ピチピチのサイクルウェアで実際に外を走ってみた感想」をお伝えしたい。

先に結論を述べると、「GOOD=むちゃくちゃ走りやすい(衝撃)」、「NOT GOOD=入れる店が限定される(不便)」の2つに集約されます。良し悪しありますね…。

ビブショーツを履いてみたいけど、まだ勇気が出ない人へのエールのつもりで書いてみます。

>> 清水の舞台から飛び降りる覚悟で、ビブショーツの購入に踏み切りました(試着してみた感想)

選んだ場所は表参道と原宿

人気のない河川敷を走っても「羞恥心を克服した」ことにはならない。やはり、大勢の人がいる場所に行ってこそ。ただし、サイクリストばかりが集まる場所ではダメだ。恥ずかしさは薄まるだろうが、今回の主旨に反する。

そこで心を鬼にして、都内屈指のオシャンティスポット(だと思ってる)表参道と原宿を走ってみるタスクを課した。この界隈をロードバイクで悠然と流すこと。顔を赤らめて一目散に走りすぎるのはダメ。

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※表参道通りをビブショーツで走ったる…

自分で決めているので課すもへったくれもないんだけど、とにかく自分を追い込んだ。これくらいの荒療治でないと、本当の意味でビブショーツデビューしたとは言えないと思ったから。

都内中心街に近づくにつれ、冷や汗が出る

ビブショーツ・デビュー当日、ご近所さんに見つからないよう早めの時間帯を選び、コソコソと家を出る。斜向かいのオジサンは早起きなので、グズグズしてると発見される恐れがあるからだ。

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※恥ずかしさで前を向けない

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※家の前を数往復して心の準備体操

(スミマセン…なんかスミマセン…)と誰に対してかよくわからない謝罪の言葉を脳内で繰り返しながら、そそくさとサドルにまたがり、とりあえず走り出す。

自宅(川口市)を出て、赤羽を過ぎるまでは意外に心の平静が保たれた。埼玉県がダサい都道府県であるという認知がされているので、相対的に自分のダサさも薄まる理屈だろうか。その気持ちは赤羽でも同じで、オシャレではない場所をビブショーツで走るのは、意外に苦にならない。これは新たな発見であった。(赤羽在住の方、スミマセン…)

王子、西ヶ原、駒込あたりの「山の手外側」までは問題なかったが、御茶ノ水に差し掛かるあたりで心臓が苦しくなってきた。羞恥心がジワジワと心を蝕んでくる。信号待ちで若い女性が自分の前を通り過ぎるとき、特にそれを感じる。何度も「大丈夫だろうか?おかしいとこないだろうか?お尻に穴あいてないだろうか?」と自問自答する。

BBQにタキシードで来てしまったというか、結婚式にTシャツ&短パンで参列してしまったような、ちぐはぐな違和感が拭えない。

誰も見ていないのは左脳では理解しているが、右脳に住むもう1人の自分が「バカが…お前ごときの分際で…ビブショーツだと…身の程を知れ…百年早いわ…」と囁き続けてくるかんじ。ギャグみたいだけど、自分の心はチクチクと傷んだ。そのせいであまり集中して走れなかった。

ビブショーツはむちゃんこ走りやすい

あ、ビブショーツの名誉のためにフォローしておきますと、信じられないほど走りやすいです。インナーショーツ&ハーフパンツ時代とは雲泥の差ですわ。

驚いたのは素材のストレッチ性で、ペダリングの動作を一切邪魔しない。気持よくストレスなく漕ぎ続けられる。「こりゃあ、みんなビブショーツを履くわけだ」とナットクした。

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しかも、肩から吊り下げるタイプは腰回りの圧迫が皆無。腰までしかないインナーショーツ特有の締め付け感がないし、腹の脂肪がショーツの上に乗っかってブヨンブヨン揺れる気持ち悪さもない。(腹の脂肪に悩む中年男性は100%同意してくれると確信)

ビブショーツこそ、もっとも快適に自転車に乗る服装だとものの5分で確信できた。中年男性こそ、吊り下げ型のビブショーツのお世話になるべき。

自分自身の恥ずかしさはいったん置いといて、声を大にして叫びたい気持ちである。

コンビニにはかろうじて入店できるが、それ以外は無理だった

100キロほど都内を走ってきたんですが、この格好で歩き回るのはかなり勇気を必要としますね…。コンビニはまあなんとか。そそくさと買い物を済ませ、外に出ることはできた。せっかくクーラーの効いたイートインコーナーがあるにもかかわらず、外でアイスを頬張った。食べている途中でポタポタ溶けたけど、しかたない。

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※青山一丁目のファミリーマートにて

ビブショーツでコンビニは入店できたが、長時間滞在する、あるいは着席する形式のレストランは想像しただけで身の毛がよだった。オシャレなカフェなんてとてもとても。フレッシュネスバーガーも厳しい。いや、マクドナルドすらハードルが高い。

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※おしゃれすぎる…

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※入店3秒で叩き出される自信ある

ビブショーツで入店できるのは、現時点ではコンビニだけである。やはりまだどこかで、「半裸に近い格好で公共の場にいる」感がある。サイクリストではない方々のお目汚しになっていることを申し訳なく思い、頭を下げたい気持ちになってしまう。

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※ヴィトンのショップにビブショーツで入ったら、どんな目で見られるだろう

あと、「この格好のままで輪行は絶対できないな…」ってこともわかりました。輪行する際は、荷物が増えてもいいから短パンを持参します。

原宿と表参道は、恥ずかしかったけどなんとか通過できました

表参道の交差点と、ラフォーレのある交差点は週末の人出がすごくって、ここでの信号待ちがもっとも恥ずかしかったですね…。歩行者らからの冷たい視線にはなんとか堪えました。(そもそも、そんなこと考えていないだろうけど)

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竹下通り周辺でも信号待ちしましたが、ここも精神的にはこたえました。悪いことをしているわけでもないのに、目線を上げることができず、背中を丸めて下を向いていました。青になるやいなや、カベンディッシュ顔負けのスプリントで走り去りました。この羞恥心は新宿、池袋まで持続しましたね…。

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※竹下通りのスターバックス…ぜったい無理…

以上、オッサンが初めてビブショーツを着て走るとき、脳内でどんなことを考えているか…がおわかりいただけたのではないでしょうか。

ビブショーツは走ることに関して言えば最高。文句なし。dhbのクオリティも問題なし、です。が、「じゃあ今後はずっとビブショーツで走るか?」と言われるとNOですね…。ミニベロはややカジュアルな服装で乗りたいし、上下ピチピチでの輪行は精神的にきつい。 

あと、オクサマから「私と一緒のときはビブとやらはやめて。気持ち悪い人と一緒にいるって思われたくないから」との残酷なお達しを受けておりまして、一緒にツーリングするときは「ハーフパンツ着用必須」であります。よって、併用でまいります。


今度はファミレスかマクドナルドに入店して徐々に精神を鍛錬し、いつかはスターバックスで長い名前の飲み物を余裕の表情で頼めるようになってみせます。

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ちなみに、「富士そばならビブショーツでも入れる!」と思ったこともご報告しておきます(笑)


>> 清水の舞台から飛び降りる覚悟で、ビブショーツの購入に踏み切りました(試着してみた感想) 


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