タイレルのミニベロに乗っている人はそうそう多くはなく、街中でみかける機会はほとんどない。自分の愛車である、CSIに乗っている人はなおさら少ない。

エンデューロ会場でCSIに乗っている人に、おもわず声をかけてしまったことがあるが、それ以外に記憶はない。とても良いバイクなので、もっと多くの人に知っていただきたいものである。

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で、そんな稀少なタイレル(Tyrell)のCSI であるが、お世話になっているショップに色違いのCSIに乗っているお客さん(Sさん)がいる。互いのカスタマイズを見せあいっこしては、「お主、やるな…」、「貴様こそ…」とやりあっているのだが、なんとSさん、とんでもないカスタマイズに手を出してきた。

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kitt design の『Kitt design Carbon Tri-spoke Wheel(キット・デザイン カーボン トライスポーク)』である。極太のディープリムカーボンバトンホイール。カスタマイズにおける最終兵器と呼ぶにふさわしい。

昨年末の段階では、予約を見送った理由

ミニベロのTernが出してきた完成車向けのホイールだが、バラ売りもすることとなり、昨年から予約受付が始まっていたのだ。その時点では、自分は見送った。

理由は、重さである。発表の段階では、メーカーも重量を発表しておらず、「まあ、1,600グラムくらいになるんじゃないですかね。カーボンとは言え、ディープリムだし、クリンチャーホイールだし」と聞かされていた。いくらなんでも、1,600グラムは重すぎる。

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※カッコよさは認めますけどね…

今のCSIに履かせている「AM-9」は1,364グラムなので、仮に1,600グラムだったとすると、一気に「240グラム」の重量アップになる。

CSIの重量は7キロ台とカーボンロードバイクに匹敵する軽さ。せっかくデュラエースとシュワルベワンで軽量化しているのに、その良さが失われてしまうのはちょっと…カッコイイのは認めるけれども…という判断である。

しかし、Sさんは漢だった。重量アップを覚悟の上で、『Kitt design Carbon Tri-spoke Wheel(キット・デザイン カーボン トライスポーク)』の予約に踏み切ったのだ。これぞ、漢である。


そしてついに、納品の日がやってきた。


Sさん 「中山さん、ついに例のブツが届くぜ…

中山 「(゚A゚;)ゴクリ…や、やつが来るのか」

Sさん 「今週末にショップで装着するけど、どうする?

中山 「ゼッタイに見に行く」


ということで、いそいそと見学に行ってきました。

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初めて目にするバトンホイールの圧倒的存在感

店に到着すると、すでにSさんはせっせとホイールの交換中。なるほど、単体で見るバトンホイールは存在感十分。つや消しの極太リムと三本のトライスポークが否応にも目を引く。

『Kitt design Carbon Tri-Spoke Wheel Set』には2つのデザインがあって、ひとつは「kitt design」のロゴが白いモノ。もう一つはホイール同色のブラック。Sさんが選んだのは、同色タイプ。大人っぽいデザインで、自分も同色型のほうがカッコイイと思った。

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※ロゴを強調したい方は白ロゴモデルをどうぞ


取り扱いは通常のクリンチャーホイールと同じ。リムテープを張り、クリンチャーホイールを装着するだけ。ただし、ディープリムなのでチューブの選択肢があまりない。よって、そこだけは新品で購入する必要がある。

なお、ハブはNOVATEC製。

さらに、うれしいことに20インチのほぼすべてのミニベロの規格に対応しているのだ。

ETRTO451規格の20インチ版には、リムブレーキ仕様とディスクブレーキ仕様がある。しかも、ETRTO406規格の20インチも用意されている。406はリムブレーキ仕様だけではあるが、DAHONやTernのフォールディングにも使える74mm版まで用意されている。

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※リムテープは付属してきます

つまり、大半のミニベロユーザーのバトンホイール化が現実のものになったわけ。こいつは春から縁起がいい・・・。

メーカーの事前発表よりも軽い!

重量を計ってみて驚いた。なんと、事前発表よりもはるかに軽いのだ。Sさんが元々使っていたのはAM-7(451)ホイールで、店頭で計測したら前後の合計重量は1,200グラムちょうど。
※ちなみにカタログ値は1,226グラム

>> タイレルのホイール情報はこちら(公式サイト)

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※メカニックの大将もうれしそう(*^^*)

それに対し、『Kitt design Carbon Tri-Spoke Wheel Set』は1,250グラム。1,600グラムを越えるかもって言ってたの誰だ!350グラムも軽いではないか。これはいい意味で期待を裏切られたわけだ。

元々のアルミクリンチャーホイールとほぼ変わらない重量に、Sさんも大喜びだ。

あまりのカッコよさに瞬殺

ブレーキシューをカーボン用に交換し、リム幅と位置を調整して完成!実際にタイレル(Tyrell)のCSI に装着したらどうなるのだろうか。

観た瞬間、死んだ。『Kitt design Carbon Tri-Spoke Wheel Set』に殺された。想像してた10倍かっこよかった。脳内イメージを軽く越えてきた。

ご覧いただきたい。これである。


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※ヤダ、カッコイイ…

いかがだろうか。理屈とか理論とか、どうでもよくなりはしないだろうか。ホワイトのフレームと、ブラックのホイールのビビッドなコントラスト。レーシングマシン然とした佇まい。静止しているのに、アイドリング音が聞こえてきそうな迫力である。

Sさんと自分は息を呑み、しばらく言葉を発することができなかった。


Sさん 「こ、これがバトンホイールの威力か…

中山 「元々可愛かった少女が化粧を覚えて、妖艶な女性に変身した瞬間を目撃した気分だ…」

Sさん 「よくわからんけど、その例えは合っている気がする

中山 「自分のCSIが、急にイケてないルックスになってしまった錯覚に陥る(笑)」


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※ついているホイールはAM-9 です

「いつまでも君を見つめていたい」……邦楽に頻出するフレーズのような気持ちになった。こんなトキメキは、もう何年も味わっていないような気がする。

自分のCSIにも履かせてもらった

自分もCSIで来店していたので、「じゃあ、中山さんのCSIにも装着させてみよう」という空気になった。

ソレをしてしまったら、もう自分はダメになってしまうのではないか。完全に恋に落ちてしまうのではないか、そんな一抹を不安を抱えつつ、誘いを抗うことができずに装着した。(いや、そもそもそれを期待してCSIに来店していた。下心満載だったことを告白する)

んで、装着してみた。


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シルバーのフレームにも似合いすぎて、死んだ。本日2度めの死亡。


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ホワイトフレームとのブラック&ホワイトなコントラストがレーシングマシンの雰囲気だとすると、シルバーフレームとの組み合わせはアウディとかメルセデスにブラックホイールを履かせたときのような、大人っぽい高級感が強調される。

この瞬間、僕は『Kitt design Carbon Tri-spoke Wheel(キット・デザイン カーボン トライスポーク)』と恋に落ちた。


中山 「在庫ってまだある?」

大将 「もう1セットだけあるよ

中山 「それを買い逃したら?」

大将 「数量限定で仕入れたので、これでおしまい

中山 「次に入ってくるのは?」

大将 「いつになるかわからない。生産はすると思うけど…

中山 「なんだと……」


この時点で、脳裏に「購入」の二文字が鮮明に浮かんできた。なにしろ、購入阻害ポイントだった重量問題がクリアになったから。

いま使っているAM-9(1,364グラム)が、バトンホイールにしたら1,250グラムになる。重量アップどころか、114グラムの軽量化が実現してしまう!

いったい私はどうなってしまうのだろうか。フラフラとその場で手付け金を払ってしまったのか?それとも、誘惑を抑えてその場を去ったのか?

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※同じフレームとは思えないほどの差(違うのはフレームカラーのみ)


Kitt design Carbon Tri-spoke Wheel(キット・デザイン カーボン トライスポーク)』と自分の運命やいかに!!


つづく


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