ロードバイクがスピードを追求する目的で作られた乗り物である以上、誰だって速く走れるようにはなりたいものである。レースに出る、人と勝負する・・・という走り方をしない人(自分はそう)であっても、「する・しないは置いといて、速く走れる能力は持っていたい」とは願う。
たとえば、グループライドにでかけたとして、千切れてしまうのってイヤじゃないですか。力量に差はあるとはしても、せめて人様に迷惑をかけないだけの体力とスピードは持っておきたい。
Global Cycling Network で、「お金をかけずにロードバイクで速く走れるようになる6つのコツ(6 Hacks To Go Faster On Your Bike For Free)」という動画があったので、翻訳してご紹介してみよう。
たしかに硬いほうがよく回転するのは間違いないのだが、「路面が極めて整った状態であれば」という条件がつく。たとえばベロドロームのトラックとか。
摩擦抵抗には2つの要素があるそうで、ひとつが「 ヒステリシス・ロス (Hysteresis Loss) 」というもの。
ヒステリシスロス(履歴損失) という単語、人生で初めて聞いた…。
もうひとつは、「サスペンションロス(Suspension Loss)」で、硬すぎると路面からの突き上げがそのまま跳ね返ってくる。空気圧が適度に低いとタイヤが変形し、衝撃を吸収してくれるのでポンポン跳ね上がることがない(=サスペンションロスが少ない)わけ。
ちなみにパリ~ルーベ(1896年から行われているフランスのパリからルーベまで260Kmを走るワンデーのクラシックレース)では、プロ選手は30cの太さのタイヤを履き、空気圧はたったの4Bar(60psi)しか入れないそうな。
ただ、万人に適合するタイヤの空気圧ってのは存在しない。そりゃ当然で、
に左右されるから。自分がよく走るコンディションでいろいろ試行錯誤する以外に近道はない。参考までに(正しいのかどうか、絶対の確証はないが)体重70キロ&身長173センチの自分は、
にしている。
あと、雨天時はグリップを効きやすくするため、空気圧が少し下げて前後7.0 bar にする。
ダンさん(写真右)によれば、慣性をうまく活用できていないサイクリストは少なくないそうで、それを感じるのがロングライドイベントで集団で走っているとき。
ギッチギチに人が詰まった状態で走っていると、先頭が坂道に入った途端にスピードが落ち、後続が次々にブレーキをかけなければならなくなる。
※そもそも下りを集団で走るのは相当リスキーだが、それはさておき
そうすると、せっかくの下りの勢いを殺してしまうことになり、坂を登るのに無駄にエネルギーを使わされる。そこで、ダンさんのオススメは「下りの途中で集団から横に離れて前方にスペースを作り、最小限のブレーキングだけで登りにアプローチ」する方法。そうすることで、労せず一気に先頭近くまで行けてしまうそうな。
べつにこれはズルでもなんでもなく、効率的で無駄のない走りを追求しただけである。サイクリングは戦略のスポーツなので。
これをやるかどうかで疲労度がかなり違う。プロでもない我々一般人がやても効果を発揮する。無風状態なら真後ろにつけばOK。ただ、斜め方向(13~14時 or 10~11時)から風が吹いている場合は、真後ろに着くのではなくちょっとポジションをずらして「対角線を描く」ようにやや斜め後ろにつく。
※画面右から風が来ているときはこんなかんじで
角度とか位置に公式はなくって、風速、走行スピード、風の角度なども影響する。真横(9~10時 or 14~15時)に近い角度から風を受ける場合は、前の選手にかなりオーバーラップした位置取りをするのがベストになる。
あれこれ考えるよりも、実践してみること。トライアンドエラーでスイートスポットを探していけば、「ここか!」と身体が覚えてくれる。
58Tってどんだけでかいねん…って呆れるが、まずパワーがむっちゃあるからというのが理由のひとつ。もうひとつ、「チェーンリングが大きいと、リアのカセットをトップにする必要がなく、大きめのギアのまま高速維持できる」のだ。そうすることで、チェーンラインが真っ直ぐに近くなり、フリクションを最小に保てる。
※たすき掛けになっていると、チェーンが滑らかに動いてくれない
↑
これが理想。
※後から見ると、真っ直ぐか斜めかわかりやすい
これが斜め(あまりよろしくない)。
↓
ごく普通の脚力を持つホビーサイクリストなら、ノーマルの53Tではなく、コンパクトと呼ばれる50Tにしておくほうが、チェーンラインはよりストレートに近づけやすい。
なんと、きれいに掃除されたていてルブを挿していないチェーンのほうが、汚いチェーンの上にルブを追加するよりずっと摩擦は少ないそうだ。汚い状態では、いくら高価なルブも無意味。何はともあれ、きれいに掃除することが大前提なのである。
初心者の方にすごくありがちなのが、「チェーンの清掃?買ってから1回もしたことないよ」という反応。チェーン本体、スプロケットの寿命が縮まるので、ぜひ掃除してほしい…。
※たまにパーツクリーナーで油を落としてます
参考までに自分の掃除のローテーションを紹介しますと、
といったかんじ。
ちなみにルブはごく普通のモノを使っていて、高い商品には手を出さない。ルブは所詮消耗品なので、こまめに掃除し、こまめに挿すほうが良いと思っている。
実験は屋内で行われ、距離はたったの1キロなので、これだけでもって「夜間のほうが速い」と結論は出せないが…。(体調、食後なのかどうか、朝イチなのか、距離を伸ばしたらどうなるか、気温の低さなんじゃ?…とか疑問は尽きない)
自分は雨天時の週末は走れないストレスを三本ローラーにぶつけるのだが、朝イチは体が起きていないせいか動きがだるい。元気に回せるのは夜のほう。仕事で疲れて帰宅すると、それはそれで脚が回らないが、そんなに活動しなかった日の夜が一番快調だったりする。
まあ、ひとつの参考までに。
以上が「お金をかけずにロードバイクで速く走れるようになる6つのコツ(6 Hacks To Go Faster On Your Bike For Free)」であるが、自分の経験をもとにもうひとつ加えると…。
レース向けの軽量タイヤはやはり転がり抵抗が低く、びっくりするほどよく回る。現在愛用しているシュワルベの「シュワルベワン」はこれまで使ったどのタイヤよりも転がり抵抗が低く、まるで追い風を受けているのか?と勘違いするほど。
性能は圧倒的で100点満点をあげても良いのだが、寿命が短いのが唯一のネック。まあ、レース向けですからね…。そこは受け入れている。
◇ シュワルベワン(SCHWALBE One)のインプレ ~アスピーテプロ(Aspite Pro)のインプレを添えて~
◇ シュワルベワン(23c)を5ヶ月(2,000キロ)使ってみてのインプレッションと劣化具合
自分はレースには出ないくせに、レースモデルを使いたがるという変わった癖を持つのだが、こういう人はなにげに少なくはない気がする。レース用ってだけでテンションが上がるだけでなく、貧脚をちょっとでもカバーしたい心理が働いているせいだと思う。
以上、皆様の快適なサイクリングのお役に立てばこれ幸い。
\(^o^)/
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たとえば、グループライドにでかけたとして、千切れてしまうのってイヤじゃないですか。力量に差はあるとはしても、せめて人様に迷惑をかけないだけの体力とスピードは持っておきたい。
Global Cycling Network で、「お金をかけずにロードバイクで速く走れるようになる6つのコツ(6 Hacks To Go Faster On Your Bike For Free)」という動画があったので、翻訳してご紹介してみよう。
目次
- 1.タイヤの空気圧を少し下げる
- 2.慣性の法則を利用する
- 3.風の方向を知る&風を受けないように工夫する
- 4.チェーンラインをなるべくまっすぐに
- 5.可動するパーツの摩擦を減らす
- 6.夜に走る
- 7.レース向けの軽量タイヤに交換する
1.タイヤの空気圧を少し下げる
「下げるの?逆じゃないの?」って思うかもしれない。自分もそうだった。タイヤの空気圧を規定値までパンパンに入れ、カッチカチにしてしまうのはわりとよくあるミスではある。たしかに硬いほうがよく回転するのは間違いないのだが、「路面が極めて整った状態であれば」という条件がつく。たとえばベロドロームのトラックとか。
摩擦抵抗には2つの要素があるそうで、ひとつが「 ヒステリシス・ロス (Hysteresis Loss) 」というもの。
ゴムなどの粘弾性体は力を加えて変形させると、粘性の働きによって変形は力より遅れて生じる。このとき消費されるエネルギーを、ヒステリシスロス(履歴損失)と呼ぶ。(参照元はウィキペディア)
ヒステリシスロス(履歴損失) という単語、人生で初めて聞いた…。
タイヤは走行中、接地部でタイヤ全体がたわみ変形することや、路面の小さな凹凸により常に変形、回復を繰り返している。それによってヒステリシスロスが生じ、タイヤと路面の間の摩擦力になるとともに熱に変わる。
また、転がり抵抗はヒステリシスロスに比例する。したがって、粘性の大きいゴム、すなわちヒステリシスロスの大きいゴムを用いたタイヤは、グリップがよい反面、転がり抵抗が大きくなる。
もうひとつは、「サスペンションロス(Suspension Loss)」で、硬すぎると路面からの突き上げがそのまま跳ね返ってくる。空気圧が適度に低いとタイヤが変形し、衝撃を吸収してくれるのでポンポン跳ね上がることがない(=サスペンションロスが少ない)わけ。
ちなみにパリ~ルーベ(1896年から行われているフランスのパリからルーベまで260Kmを走るワンデーのクラシックレース)では、プロ選手は30cの太さのタイヤを履き、空気圧はたったの4Bar(60psi)しか入れないそうな。
ただ、万人に適合するタイヤの空気圧ってのは存在しない。そりゃ当然で、
- 体重
- タイヤの太さ
- 道のコンディション
に左右されるから。自分がよく走るコンディションでいろいろ試行錯誤する以外に近道はない。参考までに(正しいのかどうか、絶対の確証はないが)体重70キロ&身長173センチの自分は、
- フロントタイヤ:7.0bar(100 psi)
- リアタイヤ:7.3bar(105 psi)
にしている。
あと、雨天時はグリップを効きやすくするため、空気圧が少し下げて前後7.0 bar にする。
2.慣性の法則を利用する
下りから登りにアプローチするとき、なるべく勢いを利用しよう。そうすれば、多少の距離を体力を使わずに登ることができる。短い坂なら、慣性だけで登り切ることも可能だ。ただし、坂道に着く前にしゃかりきに漕ぎすぎると、疲れてしまうのでご注意を。ダンさん(写真右)によれば、慣性をうまく活用できていないサイクリストは少なくないそうで、それを感じるのがロングライドイベントで集団で走っているとき。
ギッチギチに人が詰まった状態で走っていると、先頭が坂道に入った途端にスピードが落ち、後続が次々にブレーキをかけなければならなくなる。
※そもそも下りを集団で走るのは相当リスキーだが、それはさておき
そうすると、せっかくの下りの勢いを殺してしまうことになり、坂を登るのに無駄にエネルギーを使わされる。そこで、ダンさんのオススメは「下りの途中で集団から横に離れて前方にスペースを作り、最小限のブレーキングだけで登りにアプローチ」する方法。そうすることで、労せず一気に先頭近くまで行けてしまうそうな。
べつにこれはズルでもなんでもなく、効率的で無駄のない走りを追求しただけである。サイクリングは戦略のスポーツなので。
3.風の方向を知る&風を受けないように工夫する
スリップストリームをすることで、2~3割ほどのエネルギーをセーブできる。このへんはロードバイクに乗る人にはお馴染みの事実だろうが、自分はしばらく「嘘だろ~。たかがひと一人の後についただけで、そんな変わるわけあるまい」って思ってた。が、自分が間違っていた。これをやるかどうかで疲労度がかなり違う。プロでもない我々一般人がやても効果を発揮する。無風状態なら真後ろにつけばOK。ただ、斜め方向(13~14時 or 10~11時)から風が吹いている場合は、真後ろに着くのではなくちょっとポジションをずらして「対角線を描く」ようにやや斜め後ろにつく。
※画面右から風が来ているときはこんなかんじで
角度とか位置に公式はなくって、風速、走行スピード、風の角度なども影響する。真横(9~10時 or 14~15時)に近い角度から風を受ける場合は、前の選手にかなりオーバーラップした位置取りをするのがベストになる。
あれこれ考えるよりも、実践してみること。トライアンドエラーでスイートスポットを探していけば、「ここか!」と身体が覚えてくれる。
4.チェーンラインをなるべくまっすぐに
2011~2013年に世界選手権の個人タイムトライアルで3連覇している、TTのスペシャリスト、トニー・マルティン(Tony Martin)、ジロ・デ・イタリア2017で総合優勝した同じくTTスペシャリストのトム・デュムラン(Tom Dumoulin)はTTステージで58Tのチェーンリングを使う。58Tってどんだけでかいねん…って呆れるが、まずパワーがむっちゃあるからというのが理由のひとつ。もうひとつ、「チェーンリングが大きいと、リアのカセットをトップにする必要がなく、大きめのギアのまま高速維持できる」のだ。そうすることで、チェーンラインが真っ直ぐに近くなり、フリクションを最小に保てる。
※たすき掛けになっていると、チェーンが滑らかに動いてくれない
↑
これが理想。
※後から見ると、真っ直ぐか斜めかわかりやすい
これが斜め(あまりよろしくない)。
↓
ごく普通の脚力を持つホビーサイクリストなら、ノーマルの53Tではなく、コンパクトと呼ばれる50Tにしておくほうが、チェーンラインはよりストレートに近づけやすい。
5.可動するパーツの摩擦を減らす
汚れたチェーンは動きが鈍くなり、ムリに動かすため動力は大きくなる。よって、きれいに掃除するのを習慣化しよう。なんと、きれいに掃除されたていてルブを挿していないチェーンのほうが、汚いチェーンの上にルブを追加するよりずっと摩擦は少ないそうだ。汚い状態では、いくら高価なルブも無意味。何はともあれ、きれいに掃除することが大前提なのである。
初心者の方にすごくありがちなのが、「チェーンの清掃?買ってから1回もしたことないよ」という反応。チェーン本体、スプロケットの寿命が縮まるので、ぜひ掃除してほしい…。
※たまにパーツクリーナーで油を落としてます
参考までに自分の掃除のローテーションを紹介しますと、
- 走るたびに乾拭きする(使うのは不要になったTシャツ)
- 2週に1回の頻度でルブを挿す(距離にして250~300キロ)
- 数ヶ月に一度、パーツクリーナーで徹底的に汚れを落としてからルブを挿す(雨天走行したときも同様)
といったかんじ。
ちなみにルブはごく普通のモノを使っていて、高い商品には手を出さない。ルブは所詮消耗品なので、こまめに掃除し、こまめに挿すほうが良いと思っている。
6.夜に走る
なぜに夜?なのか理由は不明だが、ブラジルで行われた実験によると、「夜間に走るほうが速く走れる(7%ほど)」という結果が出たらしい。実験は屋内で行われ、距離はたったの1キロなので、これだけでもって「夜間のほうが速い」と結論は出せないが…。(体調、食後なのかどうか、朝イチなのか、距離を伸ばしたらどうなるか、気温の低さなんじゃ?…とか疑問は尽きない)
自分は雨天時の週末は走れないストレスを三本ローラーにぶつけるのだが、朝イチは体が起きていないせいか動きがだるい。元気に回せるのは夜のほう。仕事で疲れて帰宅すると、それはそれで脚が回らないが、そんなに活動しなかった日の夜が一番快調だったりする。
まあ、ひとつの参考までに。
以上が「お金をかけずにロードバイクで速く走れるようになる6つのコツ(6 Hacks To Go Faster On Your Bike For Free)」であるが、自分の経験をもとにもうひとつ加えると…。
7. レース向けの軽量タイヤに交換する
これに尽きるんじゃないでしょうか。まあ、お金をかけずに・・・という部分には反してしまうのだが、ホイールを交換するほどではないし、比較的リーズナブルな投資ではある。レース向けの軽量タイヤはやはり転がり抵抗が低く、びっくりするほどよく回る。現在愛用しているシュワルベの「シュワルベワン」はこれまで使ったどのタイヤよりも転がり抵抗が低く、まるで追い風を受けているのか?と勘違いするほど。
性能は圧倒的で100点満点をあげても良いのだが、寿命が短いのが唯一のネック。まあ、レース向けですからね…。そこは受け入れている。
◇ シュワルベワン(SCHWALBE One)のインプレ ~アスピーテプロ(Aspite Pro)のインプレを添えて~
◇ シュワルベワン(23c)を5ヶ月(2,000キロ)使ってみてのインプレッションと劣化具合
自分はレースには出ないくせに、レースモデルを使いたがるという変わった癖を持つのだが、こういう人はなにげに少なくはない気がする。レース用ってだけでテンションが上がるだけでなく、貧脚をちょっとでもカバーしたい心理が働いているせいだと思う。
以上、皆様の快適なサイクリングのお役に立てばこれ幸い。
\(^o^)/
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コメント
コメント一覧 (2)
体重を落とす! ですね。特に上り坂では。
150kmほど走って、カロリーたっぷり消費しても、
帰宅後「あ〜ぁ、今日はよく走った。楽しかった〜。今夜は焼肉とビール!」
といった生活を送っている私としては、非常に難しいことですが‥‥。
嫁サン「自転車乗ってるのに全然痩せないね。」
私「何言ってるんだ?自転車乗ってるから維持できてるんだぞ。考え方が間違ってる。」
とうそぶいてます。(笑)
cyclegadget
がしました
>自転車乗ってるから維持できてるんだぞ
↑
あ~~~、まんまこれって私の運動と食生活に当てはまってます(笑)
cyclegadget
がしました