ロードバイクでのダウンヒルは実に気持ちが良いものである。が、相当なハイスピードが難なく出せてしまうので、事故ったときのダメージは計り知れない。(ヘタをすると命にかかわる)

Global Cycling Network で「5 Cycling Descending Mistakes To Avoid(ダウンヒル時に避けたい5つの典型ミス)」という動画が紹介されていて、非常に役に立つので翻訳してご紹介したい。



ダウンヒルでのミスその1: 下を向いてしまう

高速移動していると、つい足元に目線が行ってしまう。恐怖心がそうさせているのだが、これが曲者で、近距離を見ていれば安全かというとそうではない。むしろ頭を上げて視界を広げ、次に何が来るかの情報を常に仕入れておかねばならない。

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/視線は進む方向へ\

下を向くのと同じ心理で、 ガードレールや岩壁等にぶつかりたくないという恐怖心は逆に目線をそちらに向けてしまう。人は見ているものの方に近づいてしまう習性があるので、障害物はなるべく直視せず(もちろん視界に入れて)、視線は先へ先へと送るように。

ダウンヒルでのミスその2: 急ブレーキをかける

スピードを出したままコーナーに侵入し、曲がりきれずにあわててブレーキをハードにかけてしまう・・・のは典型的なダウンヒルのミスあるある。ブレーキは「コーナーに入る前」にかけ、十分に減速した状態でコーナーを曲がるのがコツ。

ブレーキングの際は、「前輪60%、後輪40%」くらいの意識で。前輪のほうがストッピングパワーが大きいのと、後輪はロックしやすいのがその理由。フロントをやや強めにかける意識で。

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コーナーに入る前にブレーキをかけるとスピードが落ちて、なんとなく「もったいない」気持ちになるかも知れないが、ダウンヒルにもったいないもへったくれもなく、安全に下ることが最優先だ。それに、コーナリングしつつ強くブレーキをかけると後輪がロックしやすくなり、バイクのコントロールを失いやすい。

とくに初めて下る道であれば、カーブの角度もわからないし、路面状況も未知なので、無理は禁物である。パニックブレーキをかけずに済むよう、やや慎重過ぎるくらいの気持ちでちょうどいいと思う。

ダウンヒルでのミスその3: ハンドルから手を放す

ハイスピードで片手運転をするのはひじょーーーに危険。ちょっとのバランスの乱れが落車につながる。ダウンヒル時は常に両手でしっかりとハンドルを握り、いつでもブレーキが引ける状態にしておくこと。

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よって、ダウンヒル時は無理してハンドサインを出さなくて良い。意思の疎通は声で行うようにしよう。

ブラケットをしっかり握らず(手を乗せているだけ) に走るのも同様に危険。ちょっとの段差で手のひらが弾かれ、あっさり落車…という話は何度も聞いたことがある。薬指と小指も曲げてブラケットを握りましょう。

ダウンヒルでのミスその4: 前の走者に近づきすぎる

ダウンヒル時に、トレインを組むかのようバイクを寄せ合って走る人はめったに見かけないが、たまに目撃すると、「前がブレーキ引いたら速攻クラッシュだぞ…」と不安しかない。

止まるのに距離を要するダウンヒル時は、平地よりも安全マージンが必要。路面状況やスピード、斜度などにもよるけど、せめてバイク3台分はスペースを確保しておきたい。

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/イメージとしてはこれくらい\


制動力が落ちるウェットコンディションはなおさらで、4~6台分開けておくのが賢明。やってみるとわかるが、路面が濡れていると「えっ!?乾燥路と全然違って止まりにくい!」ことがわかる。前走者がどんな動きをしても自信を持って対応できる距離感で下るようにしよう。

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自分は「ダウンヒル時はチキンでいるくらいでちょうどいいい」という考え方でして、慎重過ぎるくらいのマインドで下る。スピードを競うとか、人より速く下ろうなんて気持ちは微塵もない。仲間が自分より速くても、「スキル差があるから仕方ないわな」と考えて、追いかけはしない。待たせてゴメンとは思うが、五体満足の状態で帰宅することを最優先にしている。

余談だが、峠を登りきって「さあこれからダウンヒル」・・・のタイミングで「家族の顔を思い浮かべる」のが自分の習慣になっている。なんなら、下っている間もそうしてる。そうすることで安全運転に身が入り、無茶な走行を控えることができるから。

ダウンヒルでのミスその5: レースライン(アウト - イン - アウト)で走る

車の少ない峠の下りを走っていると、 アウト - イン - アウトで走る誘惑に駆られることがあるはずだ。そのほうがスピードを落とさずに下れて気持ち良いのは間違いないのだが、公道ではゼッタイにやってはいけない走り方である。理由は…言うまでもない。

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/このライン取りは命取り\

自分の車線を守り、そのために減速が必要なら甘んじて減速するべし。


以上がGlobal Cycling Network で紹介されていたダウンヒル時にやってはいけない5つのミスなのだが、個人的にひとつ付け加えたいのが、「ダウンヒルでのミスその6: 後ろを振り返る」こと。

ダウンヒル時に第一に考えるべきは己の安全で、ぶっちゃけ他人に気をかけている余裕はない。己の安全は各々で守るべきで、前走者が後続をいちいち気にしていたら身が持たない。よって、いちいち「ちゃんとついてきているかな…」と考えて後ろを振り向かないくてよし。

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千切れてしまったと感じたなら、前走者は下った先の安全な場所で待てば良いだけ。振り返ったせいで前方不注意になるほうがよほど危険だ。路面のほんのわずかな段差やクラック、枯れ葉、枝、砂、小石も、ダウンヒル時には凶器に変わる。

振り向いた瞬間にそれらにタイヤを取られたら…想像するだけで身の毛がよだつ。視線は何が何でも常に前に向けましょう。


ということで、Global Cycling Network の「5 Cycling Descending Mistakes To Avoid(ダウンヒル時に避けたい5つの典型ミス)」をもとに、5+1の合計6個のダウンヒル時に起きやすいミスあるあるをご紹介しました。 \(^o^)/

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