自転車愛好家は1年365日、雨(&雪)さえ降っていなければ走るものだが、いくら好きとはいえ、モチベーションが上がらないときもある。

そんなとき、ぜひ読んでほしい言葉がある。サイクリングのモチベーションが上がる10の名言だ。

日本人が自転車の格言を残すことはあまりないと思うが、Global Cycling Network で「サイクリングのモチベーションを上げる10個の名言(Top 10 Motivational Cycling Quotes)」が取り上げられていたので翻訳して紹介しますね。



グレッグ・レモン(Greg LeMond)の言葉

It never gets easier, you just go faster.

『楽になることはけっしてない。ただ速く走れるようになるだけだ』


グレッグ・レモン(Greg LeMond、1961年6月26日 ~)アメリカの元プロロードレース選手。ツール・ド・フランスを3回優勝(1986, 1989, 1990)し、世界選手権で2回金メダル(1983、1989)を獲得している。

アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)の言葉

Life is like riding a bicycle. In order to keep your balance, you must keep moving.

『人生とは、自転車のようなものだ。バランスを維持するには、走り続けなければならない』

ふつうの人が言えば当たり前のことも、かのアインシュタインだと「おぉ…御意に…」という気持ちにさせられる。

アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein 1879年3月14日 - 1955年4月18日)は、ドイツ生まれの理論物理学者。相対性理論で知られる「20世紀最大の物理学者&現代物理学の父」と呼ばれる世界的な偉人。光量子仮説に基づく光電効果の理論的解明によって1921年のノーベル物理学賞を受賞した。

コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle)の言葉

When the spirits are low, when the day appears dark, when work becomes monotonous, when hope hardly seems worth having, just mount a bicycle and go out for a spin down the road, without thought on anything but the ride you are taking.

『気持ちが落ち込み、楽しくない日々が続き、仕事が単調で、希望が持てない状態になったら、自転車に乗って宛もなく走り出そう。何も考えず、ただ走ればよいのだ』

コナン・ドイル((Sir Arthur Ignatius Conan 1859年5月22日 – 1930年7月7日)はサー(ナイト)の称号を与えられているイギリスの推理小説・歴史小説・SF小説家。「コナン・ドイル?だれそれ?」って方でも、『シャーロック・ホームズ』シリーズの著者といえば、「あぁ!」となるであろう。

クリスティン・アームストロング(Kristin Armstrong)の言葉

Embrace your sweat. It is your essence and your emancipation.

『汗を抱きしめなさい。それこそがあなたの本質であり、解放なのです』

クリスティン・アームストロング(Kristin Armstrong 1973年8月11日- )は、アメリカの女性ロードレース選手。

ウィキペディアによると、出身は沖縄県クバサキ高校だという…。そんな名称の高校があるのか?と思って調べたら北中城村瑞慶覧のキャンプフォスター内にあるそうな。オクサマの実家近くだった…。たぶん、お父さんが軍人さんで沖縄に駐在していたのであろう。

ちなみにかの有名なランス・アームストロングとは親戚関係はない(ランスの元妻と同名であるがまったくの別人)。

言葉の意味そのものは、よくわからない。いろんな解釈ができそうではあるが…。

50セント(50 Cent)の言葉

At that age, it's one of the worst things in the world, to wake and not see your bike where you left it.

『子供の頃に起こり得る最悪の出来事は、朝目覚めて停めておいたはずの自転車が盗まれてしまっていることだ』

50セント(50 Cent 1975年7月6日 - )はアメリカのヒップホップMC。本名はCurtis James Jackson(カーティス・ジェームズ・ジャクソン三世)。

音楽活動以外にも俳優、企業家、エグゼクティブプロデューサー、プロボクシングプロモーターである。

50セントというMCネームは、1980年代にニューヨークのブルックリン界隈で30人あまりを殺害し、たった50セントでさえも奪ったとされる実在のギャング、ケルビン “50セント” マーティン(Kelvin "50 Cent" Martin)に由来する。

初めて知った。

冷静に読むと名言でもなんでもない…のだが、いかにも50セントらしい言葉だと思う。

アーネスト・ヘミングウェイ(Ernest Hemingway)の言葉

It is by riding a bicycle that you learn the contours of a country best, since you have to sweat up the hills and coast down them.Thus you remember them as they actually are, while in a motor car only a high hill impresses you, and you have no such accurate remembrance of country you have driven through as you gain by riding a bicycle.

『自転車に乗ることで、土地の輪郭を知ることができる。汗をかいて坂を登り、そして下る。そうすることで土地そのものを学び、記憶するのだ。車で走れば一瞬だけども、記憶には残らない』

完全に同意。 自転車の本質を突いている。

アーネスト・ミラー・ヘミングウェイ(Ernest Miller Hemingway、1899年7月21日 - 1961年7月2日)は、アメリカの小説家・詩人。ノーベル文学賞も受賞(1954年)している。

代表作は・・・
  • 『日はまた昇る』(1926年)
  • 『武器よさらば』(1929年)
  • 『誰がために鐘は鳴る』(1940年)
  • 『老人と海』(1952年)
あたりですね。

イリノイ州オークパーク、フロリダ州キーウェスト、キューバのサンチアーゴ・デ・パウラに彼の邸宅が公開されており、そういえば大学時代の旅行でキー・ウェストに行ったときにキー・ウェストの邸宅を見た(観光客に解放されている)のを思い出した。

ヘミングウェイの作品は一冊も読んだことはないが、彼のことがちょっぴり好きになった。

ミゲル・インドゥライン(Miguel Induráin)の言葉

I'm fascinated by the sprinters. They suffer so much during the race just to get to the finish, they hang on for dear life in the climbs, but then in the final kilometers they are transformed and do amazing things. It's not their force per se that impresses me, but rather the renaissance they experience. Seeing them suffer throughout the race only to be reborn in the final is something for fascination.

『私はスプリントというものに魅了される。選手らはフィニッシュラインを超えるだけを目指してレース中にとても苦しむ。死ぬ気で坂を駆け上がり、最後の1キロでマシンへと姿を変える。私が驚かされるのは選手等の力そのものではなく、彼らが見せる人としての復活だ。レース中に苦しみ、最終戦に生まれ変わる姿は魅力的という他ない』

ミゲル・インドゥライン(Miguel Ángel Induráin Larraya、1964年7月16日 - )は、スペインのプロロードレース選手。1991年から1995年にかけてツール・ド・フランス個人総合5連覇を達成した。それ以外にも、1992年、1993年のジロ・デ・イタリア個人総合優勝、1995年の世界選手権など、90年代前半に大活躍した選手。

文学的というか、なかなかカッコいい表現のような気はする。選手の生き様を切り取ったような言葉だ。

ロビン・ウィリアムズ(Robin Williams)の言葉

My favorite thing to do is ride a bicycle. I ride road bikes. And for me, it's mobile meditation.

『僕の趣味は自転車に乗ることだ。ロードバイクに乗ることは、”動的な瞑想”なのさ』

動的な瞑想(mobile meditation)…!移動しながらの瞑想行為…!ううむ、なるほど…。この言葉は深い。そして「そう!それだよ!自転車って移動しながらの瞑想なんだよ!」って感動した。

ロビン・ウィリアムズ(Robin Williams, 1951年7月21日 - 2014年8月11日)はアメリカの俳優・コメディアン。アカデミー賞に4回ノミネートされ、1998年には『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』でアカデミー助演男優賞を授与されている。惜しいことに、2014年に63歳の若さで亡くなった。

代表作は、

  • 『グッドモーニング, ベトナム』
  • 『いまを生きる』
  • 『レナードの朝』
  • 『フィッシャー・キング』
  • 『アラジン』
  • 『ミセス・ダウト』
  • 『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
  • 『ナイト ミュージアム』シリーズ
かなと。

個人的に好きなのは、「いまを生きる」なんだけど、原題は『Dead Poets Society』なんだよね…。原題の跡形が影も形もない。原題をそのままタイトルにしてほしかった。いまを生きるって、あまりにも安直なタイトルのような気がしてならない。

ファウスト・コッピ(Fausto Coppi)の言葉

Ride a bike, ride a bike, ride a bike.

『自転車に乗れ。自転車に乗りなさい。自転車に乗るんだ』

アンジェロ・ファウスト・コッピ(Fausto Coppi、1919年9月15日 - 1960年1月2日)はイタリアのプロ自転車選手。

ツール・ド・フランスで2度の総合優勝(1949年、1952年)と5度のジロ・デ・イタリア総合優勝(1940年、1947年、1949年、1952年、1953年)を果たしたほか、ジロ・ディ・ロンバルディア4連覇(1946~1949年)や世界選手権制覇(1953年)など数々の偉業を達成した。イタリアスポーツ界の伝説的英雄だが、1960年に40歳の若さで死去。

シンプルで潔い言葉。乗っても乗っても飽きが来ない。ますますペダルを回したくなる。それが自転車。

エディ・メルクス(Eddy Merckx)の言葉

Ride as much or as little. as long or short as you feel. But ride.

『距離や時間は関係なく、好きなだけ乗ればいい。ただし、乗るのです』

エディ・メルクス(Eddy Merckx, 1945年6月17日 - )は、ベルギー出身のプロロードレースの選手。ちなみに「エディ」はエドワードの愛称ではなく、本名だそうな。

ツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアをそれぞれ5回ずつ、ブエルタ・ア・エスパーニャを1回制覇している。ツール通算ステージはなんと34勝、単年ステージ8勝、マイヨ・ジョーヌ保持日数96日はいずれもツールにおける最高記録。

世界選手権でも3回(アマチュア時代も含めれば4回)優勝。さらにミラノ〜サンレモを7回、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを5回制するなどクラシックでも数多くの記録を残し、1シーズン54勝というシーズン最多勝記録も保持している(ちなみにシーズン50勝以上を3回達成している)ほか、パトリック・セルキュとタッグを組んでトラック競技でも勝利を重ね、16年間の競技生活で通算525勝(うちプロ時代に425勝)をあげた。

まさにレジェンドと呼ぶに相応しい。今はおじいちゃんですが。


以上、Global Cycling Network の「サイクリングのモチベーションを上げる10個の名言(Top 10 Motivational Cycling Quotes)」をお届けしました。


他にも、

Cyclists see considerably more of this beautiful world than any other class of citizens. A good bicycle, well applied, will cure most ills this flesh is heir to”

『サイクリストはどんな階層の人間よりも、多くの美しい景色を見ることができる人種ではないだろうか。良い自転車は、それだけで病気を癒してくれる存在だ』

とか

『宇宙戦争』で知られるSFの父、ハーバート・ジョージ・ウェルズ(Herbert George Wells, 1866年 - 1946年)の

When I see an adult on a bicycle, I do not despair for the future of the human race.

『大人が自転車に乗っている姿を見るたびに、人類の未来も捨てたものではないと思う』

とかも検索で見つけた印象深い言葉。


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読んでたら走りたくなってきたので、ちょっくら動的な瞑想をしてきます。


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