シマノのロードバイクコンポーネント、105(R7000シリーズ)が2018年9月にモデルチェンジした。完成車に多く採用される The お馴染みコンポーネントで、エントリー層の多くがここからロードバイクを始める。

そもそもの105の登場は1982年なので、今年で37年にもなる(けっこう長寿…)。

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※オクサマのボードウォークに一時期5700系のを使ってました

娘は今年にロードバイクデビューする予定なので、どのコンポーネントを与えようか考えちゅう。自分が使っていた6800系アルテグラをあてがうこと昨年の暮までは考えていたが、5年も使ったし、せっかくなので新品のコンポーネントのほうがいいかなーという気もしている。

ということで、R7000系105がどんなコンポーネントなのか、備忘録を兼ねて調べてみた。

目次


シマノ公式サイトの説明は要領を得ない

まずはお約束で、シマノの公式サイトを見てみて結論から言うと、旧型と比べて何がどうなったのか、あまりに説明がなさすぎてサッパリわからなかった。

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ためしに引用すると・・・

SHIMANO 105 R7000 シリーズはこれまで以上にサイクリストにパワーをもたらし、ロードサイクリングというスポーツの魅力を高めます。 ビギナーのトレーニングに最適なアイテムから、レースで真剣に走り込むのに必要なツールまで、すべてのサイクリストをサポートする頼れる製品が揃っています。

トリクルダウンテクノロジーを採用し、さらにアクセスを追求した SHIMANO 105は、常に一歩先へとチャレンジするサイクリストに意欲と刺激を与え続けます。

説明文が抽象的すぎる・・・。

パワーをもたらす?
「トリクルダウンテクノロジー」ってなんぞ?
「アクセスを追求する」って、なんのアクセス?そもそもアクセスとは?

ロードバイク初心者が読んでも言葉が上滑りするだけではなかろうか。娘に読ませるまでもない。「トリクルダウン」という単語が気になってウィキペディアで調べたが、これまた謎の言葉であると判明。

トリクルダウン理論(トリクルダウンりろん、英: trickle-down effect)とは、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる(トリクルダウンする)」とする経済思想であるが、立証されていないため「トリクルダウン仮説」とも呼ばれる。均霑理論(きんてんりろん)とも訳される。その後のOECDによる実証研究ではトリクルダウン理論の有効性に否定的な結果が出ている。

「トリクルダウン(trickle down)」という表現は「徐々にあふれ落ちる」という意味で、大企業や富裕層の支援政策を行うことが経済活動を活性化させることになり、富が低所得層に向かって徐々に流れ落ち、国民全体の利益となる」とする仮説である。

新自由主義の理論によれば、ジニ係数が上昇したとしても、自由競争と国際貿易によって貧困層も含む全体の「所得が底上げされる」と考えられていた。OECDによる実証研究では貧富の格差が拡大すると経済成長を大幅に抑制することが示されている。「トリクルダウン」という名称はウィル・ロジャースの発言に由来するとされる。

うむ、さっぱりわからん。
それにこの説明は、105でのトリクルダウンテクノロジーとはまったく関係ない。

その後、「トリクルダウンテクノロジー シマノ」、「トリクルダウンテクノロジー 105」で検索してもまったく解明できなかった。というか、検索結果がほぼない。完全に新種の言葉か存在自体しないではないか。

改めて、R7000系105ってどんなコンポーネント?

シマノのロードバイクコンポーネントのサードグレード。R7000は上位モデルのデュラエースR9100、アルテグラR8000に採用されたテクノロジーとデザインが反映されている。つまり、105が上位モデルに追いついたというわけだ。

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※これは前作の5800系です

アルテグラ、デュラエースと比べ、素材の違い・質感と仕上げの差、重量増などはあるものの、形状・機構は基本的に同じ。なので、ふつうにサイクリングを愉しみたいなら105でぜんぜん十分。


で、R7000系105のトピックとしては、 、、

105シリーズ初の油圧式ディスクブレーキが登場

これはでかい。手の小さい人でも使いやすいレバー形状で、リーチも見直されているそうな。

機械式のほうのブラケットも小型化

手が小さくなくても、ブラケットが小さいほうが握りやすく、操作しやすいので朗報。

スプロケットが最大34Tに対応する

山が登りやすくなってうれしい。

160mmのクランクをラインナップ

背の低い人には有難い。ユーザーも多いので良い進化。

デザインも上位モデルを踏襲

高級感が増した気がする。

リムブレーキのキャリパーのクイックリリースがアーチと一体化

スッキリしてカッコいいが、すぐ慣れるというか、そのうち目は行かなくなる(笑)。

ブラックだけでなく、シルバーカラーも選べる

クラシカルなフレーム、クロモリで組む人はシルバーが選べるのは嬉しいかなと。
 

これだけの情報でも、105(R7000)には十分な性能が備わっていることがわかる。

旧型105(5800系)と比較して変わった、進化した部分

リアディレイラー

  • 「シャドーデザイン」を採用
  • 最大34T対応(34Tのスプロケットに対応するロングケージ仕様も登場)
  • ガイドプーリーとテンションプーリーの刃先の形状は目立たないが変更されている

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※これはULTEGRA(アルテグラ) R8050 Di2 です(外に出っ張っていないのがわかる)

シャドーデザインとは MTBでは2010年から採用されていたリアディレイラーの形状で、出っ張りが少なく(=障害物にHITしにくい)、空力でも効果的。

チェーンのテンションが高めなので「チェーンが暴れにくい」というメリットがある。反面、ホイールの脱着はやややりにくい。

フロントディレイラー

・形状がコンパクトになった
※まあ、FD-5801ですでにマイチェンしていたが。

・ロングアームデザインを廃し、コンパクトな形状にアップデート
※見た目がスッキリしていですね。

・ワイヤーのアジャスト機能を搭載
※ケーブルテンションをディレーラー側で調整可能になり、メカニック的にはうれしい。

ブレーキキャリパー

・高剛性で空力に優れた新デザイン

・クイックリリースレバーをブレーキアーチと一体化
※ここの空力を云々するのにどれほど意味があるかはわからんが…。

・アルテグラ、デュラエースには搭載済みの(アーチをつないで制動力を高める)ブースターは採用されなかった
※残念ではあるが、少しは差をつけてくれないとアルテグラユーザーが納得しないだろう(笑)。

・タイヤクリアランスは最大28cまで対応
※タイヤとホイールのワイド化が進む昨今、これも地味に嬉しいニュース。

デュアルコントロールレバー

・より握りやすくなり、操作性がアップ
※ブラケットが小さくなり、手の小さな人でも握りやすい。

・ブラケットフードに溝が掘られてグリップ性能もアップ
※6800→R8000に替えた自分もその効果は感じている。シフトレバーは大型化して操作しやすい。二重でGOOD。

クランク アーム長

・最短160mmが用意された
※背の低い人にはありがたい。

・上位モデルのデザインを受け継ぐ

・旧モデルよりクランクアームの幅が太くなった
※剛性アップに寄与しているのではないかと。

カセットスプロケット

・ワイドレシオの「11-34T」が選べる

ちなみに歯数構成は以下の5種類。

  • 11-28T
  • 11-30T
  • 11-32T
  • 12-25T
  • 11-34T

32T以上のスプロケットを使う場合は、ロングケージのリヤディレーラーと組み合わせる。個人的に選ぶとしたら…11-28Tかなと。山には行かないって人は、クロスレシオな12-25Tでもいいかも。

脚力に不安のある人なら、11-32Tだろうか。ただ、ロングケージの操作感はショートケージに劣るので、そこだけはトレードオフになることを覚えておきたい。

ペダル

・肉抜き加工したことで、ペアで25gの軽量化に成功
※踏み面のステンレスプレートも配置が変わったそうだが、それが直接なにかメリットをもたらすのか否か、はわからなかった。そもそも、娘はいきなりビンディングペダルを使いはしないだろうから、しばらくは箱の中で眠ることになるとは思う。

チェーン

・クイックリンクで接続する新しいチェーン

・方向性があるので、間違えないように
※クイックリンクの再使用は不可。これは105だけでなく、なんでもそう。

・インナープレートに超低摩擦表面処理シルテックが使われている
※これ、何気にすごいんじゃ。チェーンを新調するとき、105で十分じゃん・・・って気がしている。

105(R7000)は上下のグレードと比較してどうか

それなりに本気でロードバイクにのめり込みたいなら、下位グレードのティアグラは検討外でいいかなと。105とティアグラ間のコスト差はたいしたことないので、そこは目をつむってR7000を選んでいいと思う。それに11速で揃えておくほうが、上位機種(アルテグラ、デュラエース)との互換性が担保されているのでカスタマイズの幅が確保できる。 

では、アルテグラR8000とR7000ではどうか…?上位を狙うべきか否か?

ここは迷うが、二者間の差は主に重量なので、そこが気にならないのであれば、コスト重視で105を選択してもいい気がする。娘には良いものを与えたいので、最初からR8000にしてあげようかという親心もあるにはある。ここはまだ未定。

105(R7000)で組んでからDi2化できるか?

可能ではある。後からデュアルコントロールレバーと前後ディレーラーをR8050のDi2に組み込めばいい。ただ、そこまでのアップグレードをすでに考えている人であれば、最初から一気にDi2化してもいいんじゃないかしら。 (そこそこ工賃かかるので)

まあ、娘にいきなり電動の恩恵を与えるのは贅沢が過ぎるので、どのグレードを買うにしても機械式で十分。

R7000(105)の価格はいかほど?

最後に価格をば。
機械式同士でアルテグラ(R8000)と比較してみよう。(価格は税抜き)

R7000系105

  • ST-R7000 23,450円
  • FD-R7000(直付け) 3,942円
  • RD-R7000-SS(ショートケージ) 5,222円
  • BR-R7000(前後セット) 9,296円
  • FC-R7000 15,563円
  • CS-R7000(11-30T) 5,082円
  • PD-R7000 11,613円

合計:74,168円

R8000 ULTEGRA(比較用)

  • ST-R8000 機械式STIレバー 32,989円
  • FD-R8000 機械式フロントディレイラー(直付け) 4,902円
  • RD-R8000-SS 機械式リアディレイラー(ショートケージ) 8,617円
  • BR-R8000 キャリパーブレーキ(前後ペア) 13,814円
  • FC-R8000 クランクセット(165-175mm、53-39T/52-36T/50-34T) 25,955円
  • CS-R8000 カセットスプロケット(11-25T、11-28T、12-25T) 7,697円
  • PD-R8000 ペダル(軸長ノーマル) 14,557円

合計:108,531円


税金を考慮しない価格差は「34,363円」か…。迷いどころではある。引き続き、検討を重ねたい。


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